ご挨拶 〜創立60周年記念特設ページ開設にあたって〜

大野 泰昭

 

 全日本プラスチック製品工業連合会は、令和5年12月17日をもちまして、創立60周年を迎えることができました。これもひとえに会員並びに賛助会員の皆様はじめ、経済産業省など関係官庁・関連業界の皆様の、常日ごろからの暖かいご支援のおかげと心より御礼申し上げます。

 当連合会は、昭和38年12月に日本プラスチック成形工業連合会と、日本射出成形工業連合会が合併し全日本プラスチック成形工業連合会が設立されました。名誉会長に積水化学工業の上野次郎男氏、会長には天昇電気工業の菊池五郎氏が就任されました。

 当初は、まさに文字通りの寄り合い所帯からの船出で、幾多の困難があったであろうと思います。多くの先人の皆様方のご苦労は察して余りあるものと、現在に生きる私共は、思いを馳せているところであります。

 当業界が一本化し体制準備が整ったことから、昭和39年には中小企業近代化促進法の業種指定を受け、その後の業界の近代化と合理化事業の推進につなげることができました。

 連合会が発足した昭和38年当時は東京オリンピックをまじかに控え、オリンピック景気と言われた好況期で実質GDPも10%を超える高度成長の時代でもありました。

 昭和40年代・50年代は我が国産業全体の発展とともに当協会も拡大成長してまいりました。昭和60年代から平成15年代までは、バブル経済とその後の長期低迷の時期を経験しました。また、円高により大手企業の生産拠点の海外移転で、国内産業の空洞化が本格化し我々の仲間も大きな影響を被りました。

 平成20年に入りリーマンショック後は、自動車業界はじめ主要産業において、円高・自由貿易協定の遅れなどの六重苦に苦しみました。平成23年は、誰もが記憶に新しい東日本大震災が発生しました。

 令和の時代に入り消費税の引き上げ新型コロナウイルスの発生が起こり、ウクライナ戦争・ガザ紛争 と二つの戦争が始まりました。令和6年7月11日には、株価が初の4万2000円台をつけ、史上最高値を更新しました。

 ところでお話が変わりますが、創業100年以上の主要企業は日本と米国ともに5割を占めます。同50年以上だと日本は9割、米国は7割になります。日米で大きな変化が出るのは、同50年未満の新しい会社だそうです。日本は5%で、米国は26%です。日本で50年以上の会社が多いのは、新陳代謝が起きていないことの裏返しだそうです。日本は次の100年を生き抜く新たな「古豪」を生み出せるか問われているそうです。

 全日本プラも60周年は通過点に過ぎません。今後も古豪の100年を目指していって欲しいと思います。最後に、この度の記念事業にご協力を賜りました皆様方の、益々のご発展とご健勝をお祈り申し上げてご挨拶といたします。